【出演者紹介】
カンタオール「ミゲル・ラビ」の紹介です。
ヘレスのプラスエラ地区というフラメンコの震源地(聖地)出身で、赤ん坊の時からフラメンコの環境の中で育ってきたので、選ぶも何もなく、そういう生き方でフラメンコの人生が成り立ってきたそうです。
「子供の頃なら、学校に行けばフラメンコと関係がない子供の世界というのがあって、
普通サッカーとか、子供の別の世界に流れない?」と聞くと、
「9歳まではきちんと学校に行ってたけど、
その先は抜け出しては年寄りたちと交じってフラメンコの世界に常にいたから」と。
12歳でステージデビュー。
17歳にして半年間、日本の大阪のエル・フラメンコのステージに出ていましたし。
ラビの歌う、ものすごく深く染み込んだ粘りあるゆったり流れる魅力的なカンテは、
その年齢にしてはかなり年輪ある感じだなあ、、、と思います。
昨年、ガルバン父娘のグループのカンタオールでガルロチに来日したのが、14年ぶりの日本だったラビ。
生ハム持ち込み禁止とか色々入国制限があるので、日本行きの飛行機に乗る前に機内持ち込み手荷物の中に入っているものを尋ねると、
「聖書」と答えたのでした。
「またまた〜」と内心思ったのですが、まあフラメンコのアーチストは外見のワイルド感などからか、空港で荷物を開けるように言われるパターンも多いので、荷物の中から聖書が出てきたら普通、善人と思われるから、これすごい作戦だな、と勝手に感心していたのですが、
ラビごめんなさい!(笑)
本当に愛読書が聖書というのが今回発覚しました。
まさか読書のように読むのではないよね?と聞くと、まず最初に「聖書の話をするときにタバコを持っていてはダメだ」と、
持っていた火のついたタバコを灰皿に置きました。
そして「神様! 素敵な言葉をください!」とパッと聖書を開いて、言葉をもらうのだそうです。
世界のベストセラー「聖書」と9歳の時から常に一緒なのだそうです。
カンタオールは詩人です。
ラビの歌う歌詞は、昔からのヘレスの歌が多く、カンテを全部聞き取れなくても、キーワードのように拾っておいて、
後からネット検索すると大体歌詞がヒットして出てきてくれます。
パケラが歌ったヘレスのタンゴだったり、
カマロンが歌ったブレリアだったり。
歌詞が出てきても意味不明な言葉が出てきて、なんだこれは???と
キーワードのようにロマ語(ジプシー語)がフラメンコの慣用句で入り込んでるのがたまに出てきます。
英語の I Love You のスペイン語が Te quiero (テ・キエロ)というのは、
フラメンコの人では知ってる人も多いと思いますが、
Te quiero
Pero de lachi no te lo peno
というフレーズがカンテの色々なところに。
「愛してる。でも恥ずかしいから君に言えない」という意味の、ロマ語がキーワードなフレーズのようです。
たくさんの、ヘレスの土地で歌い継がれてきている歌詞を、人生の中でたくさん消化して、再び吐き出す(自分のものにして歌う)ラビ。
フラメンコだけではなくて、色々他にも好きな音楽があるというので、
尋ねてみると、フランク・シナトラ、BBKing、アレサ・フランクリン、という名を挙げたので、
なんとなくこのしっかりしたベースのあるスタイルみたいなのがラビのカンテと通ずるものがあるかも、、、と思いきや、
スペインでは好きなのが、
ライムンド・アマドールとモンセラ・カバリェ、と言ったのでした。
ライムンド・アマドールは、フラメンコですし、同じヒターノで、そっか、、、と思いますが、ラビからモンセラ・カバリェのソプラノのオペラ歌手の名が出てくるとは。
奥が深いですね、ラビ。
自分のリサイタルで地元ヘレスの劇場を地元人で満席にします。
親族だけでも200人くらいいるそうで(数字が正確なのかは不明ですが)、
誰かの誕生日が来るのが怖い、、、、と。
全員集まってフィエスタ。ウイスキーのボトルだけでもどのくらい用意するか、想像するだけでぞっとするエネルギッシュな幸せのようです。
伝統の歌詞だけでなく、自分で歌詞を考えた、
愛する娘3人へ捧げる自作のブレリアを歌ってました。
「僕のチャメナ(次女の名)、僕の魂、
愛してるから、君にお月様(Luna)
を作ってる。水玉(Lunares)のベットだよ。
白い綿いっぱいで、ブルー色の蝶々でいっぱいの柔らかいシーツ3枚おむつ替えよう、、、」
みたいな内容です。
ちょっと私が詩人ではないので、
訳はなんとなくこんな感じ、という程度で。
すみません。。。。🙇🏻♀️🙏
青い蝶には、幸運、幸せ、新しい道の始まり、
などという意味もあります。
一応ラビに確認しておこうかと、
「月を作っちゃうの???」(私)
「そう」(ラビ)
「誰が作るの??」(私)
「僕。。。」(ラビ)
やっぱりそういう宇宙規模な愛の歌でした。
もうその次女も成人してますから、
生まれた時に作った歌をずっと愛を持って歌い続けていると思われます。
それを次の世代が聞いて歌い継いでいけば、
ラビの歌がパケラの歌のように残っていくのでしょうね。
ラビは、日本の騎士の武豊に似ているということから、さらに日本人の中で親近感が湧くようで、日本の騎士に顔が似てることを本人に告げると、
「奇遇だね、僕も馬に乗るんだ」と。
ヘレスはブレリアと馬とシェリー酒の街ですが、ラビは馬にも乗るし、調教もするのだそうです。
乗馬学校の感じではなく、
ターザン的に自然と同化した、
馬と会話している詩人のラビの姿を想像できるような、、、。
写真で被ってる白い帽子は前回日本で購入したもので、お気に入りだそうです。
日本の皆様との再会を楽しみにしています。
そう伝えてくれ、と本人からの伝言です。
間も無くです。お楽しみに!
Photo & Text/ Mayumi Shimoyama
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