★セビージャ通信 GARLOCHÍ Special edition
待ちに待ったガルロチが新しいスタイルで再オープンとなりました。
ガルロチの名で対象となる芸術ジャンルが拡張されましたが、フラメンコ部門は同じ形態で引き継がれているので、以前のようにスペイン人アーチストが来日できるようになる日をしばらく待つ状態です。
皮肉にも日本とのスペインの国境は解禁に向けての緩和とは逆行し、9月20日以降強化されてしまいました。
それでも数字的には、ここ2日間での新型コロナ新感染者数がアンダルシア州では232人、スペイン国内では2290人、世界では439132人、
と地元新聞に出ています。人口や数え基準もまちまちで一概に比べようもない数字だとは思いますけどご参考までに。
こちらセビージャでは、既に感染予防対策の規制が日々緩和されてきています。
自宅以外での室内のマスク着用義務は続いていますが、場内観客使用席数が半減されていた屋内劇場関係は、ついに100%通常通りの座席数使用に戻りました。
なので、先日観に行ってきたメルセデス•コルドバのフラメンコステージは新型コロナ騒ぎが始まって以来久々の劇場内100%解禁席でした。
場所はセビージャのトレスミルの劇場。
皆怖がって住人以外は避けて通る治安が不安定で危険な有名地区です。
でもここがフラメンコの震源地として、フラメンコの人にとっては聖なる地区のように遠目に拝まれる(?)のです。
このトレスミル、フラメンコ震源地区、に育つダイヤモンドの原石のような青少年たちに磨きをかけて、フラメンコの世界で生きていけるように育てあげよう!とエル•トロンボが育ての親のように活躍中の公式プロジェクト「フエラ•デ•セリエ」(“規定外”の意を持つ名称)のメンバーたちのステージ。
プロの有名なダンサーを招待して、
歌やギターはフエラ•デ•セリエのメンバーでステージ経験を重ねる企画。入場料無料(市役所バックアップ)。
この初回はこの2週間ほど前にエル•フンコでした。
子ライオンたちの中で指揮を取る親分チーター(?)という感じでなかなか新鮮味ありましたけど、
今回2回目に選ばれたのがメルセデス•コルドバ。
これもまたメルセデスのビックなハートが描き出される愛たっぷりのステージでした。大地のような無限に広がる愛で両手を広げる母のようなメルセデスの貫禄がさらに増していて、これはもうグランレセルバの域に入ってます。
彼女のステージは見るたびに味が深くなっていて、ずっと熟成し続けているワインに似たイメージが。
今回身に纏っていた衣装は彼女のマントンから作成されたものでした。
メルセデスは踊りにはもっと大きくて重いマントンを使うということで、普段ほとんど使用しない私物を衣装にしたのだそうです。
セビージャのタブラオも既に気付けばエル•アレナルが再開していました。老舗のロス•ガジョスも10月1日より再オープン。
エル•パティオ•セビジャーノからも年末のカウントダウンイベントの集い申し込みメールが送られてきたり、
セビージャのタブラオは徐々に活動再開し始めています。
劇場でもこの春に来日予定されていて実現できなかったマヌエル•リニャンが率いいる「ビバ!」が今月セビージャで行われます。
12月にはサラ•バラスがマエストランサ劇場で3日間連日公演しますし、
じわじわとフラメンコエネルギー、街の中で再発火始めているようです。
Text/Mayumi Shimoyama
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