【出演者紹介】 María Morenoマリア・モレノが6年ぶりにガルロチのステージに立ちます。 スペイン各地だけでなく、世界大都市の劇場を作品もので踊り巡るマ…

【出演者紹介】 María Morenoマリア・モレノが6年ぶりにガルロチのステージに立ちます。 スペイン各地だけでなく、世界大都市の劇場を作品もので踊り巡るマ…


【出演者紹介】
María Morenoマリア・モレノが6年ぶりにガルロチのステージに立ちます。
スペイン各地だけでなく、世界大都市の劇場を作品もので踊り巡るマリア、
先月6月にたった1日だけセビージャのタブラオで踊る日があったので、久々にタブラオという近距離でのマリアの踊りを見てきました。

大きな舞台で普段踊っているからか、立ち位置から1mと動かずに、その切れ味深い豪快な動きが360度級の華やかさ。
どの動きもポーズも美しく俊敏さと優雅な速度もいい感じにミックスされ、斜めになって回転していたり、上半身を前のめりに足さばきをしているから、後ろへの蹴りも多々あり。
それが決して単なる驚きのアクロバットや技術のお披露目ではなく、最高のアルテ。芸術の世界です。

ファルダ(スカート)を左右に掴んで丸み帯びたその腕がちょっとだけファルダを浮き上げた瞬間、数センチ地から浮いたかと思われるマリアがシュッと回転する姿などは、
超高速ソフトクリームの出来上がり!みたいな。
マリアの踊りを見ていてふと思い出したのは万華鏡。
一瞬で作る無限な華やかさ。驚きの連続です。

マリアを知ってる人は皆呟きます。「マリアがまた進化してる、、、」と。
なぜなのかスペイン人も日本人も皆マリアを「進化」してると表現します。
私も正にその言葉がピッタリだと思います。
それでいてマリアの踊りは決して伝統的なフラメンコから外れていないのです。
これは本人も意識しているようで、
進化した斬新な1つ1つの動きの中に古典が常に存在していて、フラメンコの枠から外れて違う世界に行ってしまうことがないのです。
これが世界中から愛される、今のフラメンコ界のリーダー(パイオニア)的存在になっているマリア・モレノの理由かと思われます。

私がタブラオで見た時はソレアポルブレリアを踊っていました。
踊る直前ほんの1秒前までニコニコスマイルのいつものマリアなのに、踊り出すと豹変するマリア。
顔つきが変わるのですが、この変化が鳥肌もの。そこにあの身体能力と高い芸術性。

前回「バタデコーラでアレグリアスを踊る」マリアを観に日本人がガルロチに通ったと聞きましたが、アレグリアスの街カディス出身のマリア、そのバタデコーラの捌きの素晴らしさと可愛らしさとキラキラ度と高度な足の動きで「マリアといえばアレグリアスでしょ?!!!」と皆に認められていますが、
最近ちょっと違う新しい彼女の流れがあるのです。

2017年のヘレスフェスティバルにて「Alas del recuerdo」の作品で受賞した翌年(日本から戻ってきたあと)、セビージャのビエナル(2018年)でも作品「De la Concepcion 」で受賞。
ビエナルは2年おきですから、その次の2020年ビエナルでもまた、連続して別の新しい作品「More(No)More」で再受賞したのです。

それはソレアを踊ってるときの「魔法がかった瞬間」と評価されての受賞だったので、
マリアはそれを深く受け止めて「そのソレアをもっと深めてみたい」という熱い想いから、
ここ2年ほどのマリアはソレアにターゲットが。
そして作り出された新作が100%ソレアに捧げたものなのです。

ただいま現在進行形のマリア作品のタイトルが、書けば象形文字のようで普通の人は読めずに困っている、「o../o../.o/o./o. (soleá)」
ソレアのコンパス(リズム)をメモ記録のように書いたものをタイトルにしています。
司会者やニュースのアナウンサーが皆読めずに
紹介に困って時間かかっているそれを毎回見るのも面白いです。

ちょうどそのソレアの作品が先週末、セビージャ郊外のローマ遺跡の劇場で上演されたので観てきました。
1時間ちょっとの作品、最初から最後まで全てソレアに捧げられたもので成り立ってます。
歌やギター、そして“バグパイプみたいな音を出すバイオリンのようなギターのような見栄えだけど“鍵盤楽器”という稀に見る古典楽器のZanfona(日本語でハーディガーディ)も混ぜてのそれぞれが主役になる場面を持つ分析のソレア。

ステージには相撲の土俵のような、というのか、闘牛場の地面に見るような白い大きな一つの円が描かれていて、その中でマリアが踊るのですが、その白く描かれた円のラインは塩。
マリアのアイデンティティーでしょうか。

彼女の出身カディスの海の周りには山積みの塩がたくさん見られます。
電車でも車でも車道からの景色で。
ステージには地元カディスから持ってきてる塩を使ってるとマリアが言っていました。
塩はスペイン語でSal(サル)と言います。
これ人間が生きる体内でも欠かせませんけど、
料理にも欠かせませんし、私たち人間が唯一食べることのできる岩石。
金よりすごい!なのに格安。塩!

サラリーマンのサラリーはローマ時代のラテン語の塩からきてますし、(スペイン語の給料SALario)、サルサ(スペイン語のソースの意:SALsa)もラテン語の塩味の女性系。

大昔から塩はすごいのです。命の塩SAL.
フラメンコの母、大地のソレア、
そこに命を吹きかけるべく、カディスの塩が。

生きたパワーで囲うマリアのステージアイデアもすごい。
普段のストレートでポジティブな行動力のマリアも、豹変するフラメンコステージのマリアも、全部マリア・モレノは最高なのです。

マリアは自分にとってソレアはフラメンコのハモン(生ハム)だと公言してました。
自分で食べても人にオファーしても最高な食べ物だと。
そういえばイベリコ豚の生ハムも肉を塩漬けして干してるだけの生ものですね。

マリアのガルロチのプログラムを見てみたら、ソレアありますね。
でももう一つのプログラムは、
マリアのオハコと言われるバタデコーラのアレグリアス(カンティーニャ)ですね。
で、なんとレパートリー多くプログラムに収まりきらないマリアは、今までにない、プログラムCを作りましたね。

今からもうプログラム見るだけでワクワクします。
とにかく是非観てください。素晴らしいです😍😍😍😍

ソレアの作品ビデオ見つけました。

MARÍA MORENO – o../o../.o/o./o. (soleá) La Bienal de Flamenco de Sevilla

今は白い着物の振袖には長いフレコが付いてます。ソレア作品舞台写真は
Archivo fotográfico del Festival Internacional de Danza de Itálica
からお借りしました。

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Photo & Text/ Mayumi Shimoyama
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