【セビージャ通信】GARLOCHÍ Edition
出演アーティストのご紹介
Miguel Iglesias ミゲル・イグレシアス。
現在フラメンコ界で活躍するギターリスト、イグレシアス3兄弟の1人。
兄がエウヘニオ(ぺぺ・トーレスとマヌエラ・バルガスの時に)、弟がパコ(ホセ・ガルバンとパストーラ・ガルバンの時に)ガルロチに行ってます。
歌や踊りの伴奏するギターリストの最高峰と言われてきているメルチョルの血を引いていて、このミゲル・イグレシアス自身もその世界のベストギターリストにあたるのだそうです。(スペイン人アーチスト語る)
同じ一本のギターを音鳴らしした時に「このギターからこんな素晴らしい音色を出した！」ということでもベストギターリストだという話も聞いたことがあります。
また、地区のギター好き青年たちがミゲルの家にやってきては「ちょっと何か弾いて！」と頼み込み、夜な夜な家に残って、ミゲルのギターを弾いたりして、小さなペーニャのような状態で家に集まってくるそうです。
3台持っている自分の高級ギターを自由に弾かせて、自分はもう寝るから、、、と床に就いたあとも、自由にギターを使わせて家に青年たちが出入りしているそうです。周りにも色々なギターリストが住んでいるのに、ミゲルを訪ねてミゲルに懐いている地区のギター青年たち。明日のフラメンコギターはこのように継がれていくのですね。
セビージャの現在トップアーチストで固められているタブラオ「La Cantaora」にミゲルが出ているというので観に行ってきたら、なんとその日の踊りがオルーコで、カンテ(歌)がぺぺ・デ・プーラ。今週、セビージャはフェリア(お祭り)です。フェリアで歌って踊るセビージャーナスをミゲルのギターでぺぺが歌い、オルーコがセビージャーナスを超フラメンコで踊っていました。もうこれでフェリア行かなくて良いじゃん！！！と思うほどこんなの簡単に観られません、、、という希少なものを観させてもらいました。
(このタブラオはショーの内容も素晴らしいですが、出される食事もその辺のレストランよりずっと美味しくて、デザートも自家製の最高なのが出てきますから、行かれる際にはお食事付きをお勧めします。)
ミゲルのギター。ジャズもこなすミゲルですがフラメンコのステージではジャズは出してません。これはいい感じでモダンさも香ってくる程度で抑えられていて、兄のエウヘニオにはチャイコフスキーの香りがしましたが、ミゲルにはさらにもう少し先行ったラヴェルあたりの香りが見られました。が、逆に超古典な音階なども混ざってて、幅広い時代の音を上手にミックスさせてる繊細さ。
今回行くカンタオールのフアンとメルセデスの声トーンが違うのを上手く(皆がわからないような自然体で)ファルセータ内で転調して考えて行くとミゲルが言っていました。
ギターリストの手の動きを吟味したことないのですが、ミゲルの手の動き、釘付けになって見てしまいました。微動だにしない固定されたギターに、素振り練習のような模範的な美しい動きの右手。この右手首と綺麗に位置する全ての指先。
これってなんか手の舞踊のようではないですか？？？こんな見方でギターを見て良いのかわかりませんけど、私としては「すばらしい！！！」と思ったのでした。皆さんも是非ガルロチでミゲルの指先にご注目ください。
フラメンコ界のスペイン人にフラメンコギターの世界でミゲル・イグレシアスってどういう存在でどういう立場に存在するか尋ねたところ、
「Celebro」と。
脳みそ、脳、知能、(組織などの)ブレーン。
そんな感じのフラメンコギター界の凄い人物がガルロチに立ちます。
ステージまで秒読みです。ぜひお楽しみください。
Photo & Text/ Mayumi Shimoyama
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“ラ・モネタ&アベル・アラーナグループ
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